フィリピンを訪れていた香港からの中国人団体観光客が23日、バスジャックに遭遇した事件で、人質となった9人が命を落とした。 恐怖によって極限状態に追い込まれた11時間は、人質にとってまさに「生死を味わう時」となった。 悪夢は、フィリピン現地時間23日午前10時30分に始まった。 香港から4日間のフィリピン観光に来ていた一行は、マニラ市内の観光名所・リザール公園を見学後、集合時間となり、バスに乗車した。 観光客と一緒に乗車しようとしてガイドに制止された犯人は、ヒッチハイクしたいとガイドに頼んだが拒否された。 すると犯人はバスに無理やり乗り込み、M16自動小銃を手に持ち、運転手に手錠をかけた。 車内には、観光客20人、香港からのツアーコンダクター1人、現地ガイド1人、運転手1人の計23人が乗っていた。 犯人がバスを乗っ取った後、ツアーコンダクターは混乱にまぎれて香港にメールで事件を知らせた。 このメールによると、犯人は自分を警官だと言い、その後軍隊に入ったが、ある事件に関与しているとして、免職されたという。 関連当局に復職を訴えたが拒絶されため、このような手段に出たらしい。 バスジャック後、犯人は6人の香港人を含む人質9人を解放した。 午前11時頃に最も早く解放されたのは、66歳の老婦人と現地ガイドだったが、現地カメラマン2人が代わりに人質となりバスに乗った。 午後12時30分頃に女性1人と子供3人が解放された。 解放された女性は、実の娘2人以外に、別の男の子1人も自分の息子だと偽り、一緒に魔の手から無事逃れることができた。 午後1時30分、73歳の老紳士が解放された。 この人は、1番先に解放された老婦人の夫で、ツアー客の中で最も高齢だった。 彼によると、犯人が車内で人質を脅したり、「殺すぞ」といったセリフは言わなかったという。 しかし、その後、現場に突然緊迫が走った。 犯人が「午後3時に大事件が起こる」と書いた張り紙を出したのだ。 現地警察の狙撃手がずっと現場で待機、犯人の弟が現場に来て兄の説得を始めた。 午後3時になり、現場で何が起こるのか、誰もが息を潜めて情況を見守った。 しかし、現場は静かなままで何も起こらなかった。 犯人の弟は、タイムリミットを3時半にするよう犯人に求めた。 3時半、犯人は「Media Now(マスコミと連絡を取りたい)」と書かれた別の紙を張り出した。 また、車内のエアコンが切れないよう、バスへ給油するよう要求した。 午後4時過ぎ、男性1人が解放された。 バスには、観光客14人とツアーコンダクター1人の人質計15人がまだ残されていた。 夕方になり、犯人は電話であるラジオ放送局の取材を受け入れることを承諾した。 多くの特別警察が現場を包囲している情況から、最後には自分は射殺されるだろうと予測していた犯人は、警官に現場から立ち退くよう求め、さもないと人質を殺すと脅迫した。 夜7時20分頃、バスが突然発車した。 警察はタイヤ目掛けて発射し、それを止めた。 現場では少なくとも6回、銃声が響き、弾丸がバスの窓を貫通した。 白いシャツを着た運転手が必死で逃げ出してきた。 運転手は、「車内の人質は全員殺される」という恐るべき伝言を持ってきた。 バスの窓は全てカーテンで閉ざされ、大雨が降りだした。 車内で何が起こっているのか誰にも分からない。 現地警察が強行突入を試み、多数の完全武装した暴力対策警察が車の後部から包囲し攻撃に出た。 ハンマーで窓を叩き割り、後部ドアのガラスも打ち破り、ドアが閉まらないよう縄で固く縛り、威嚇発砲を続けた。 約1時間後、特別警察の警官2人が最後部の非常口から車内に突入したが、抵抗され、数分後2人は再び車外に出た。 8時20分頃、犯人は車内から外に向かって銃を乱射、バスの下部に待機していた特別警察は全て撤退した。 8時39分、突然車内から煙が噴き出した。 警察が投げた催涙弾らしい。 銃声が10秒以上鳴り続けた。 8時42分、横たわった男の半身がドア破損部分から引きずりだされた。 警察が慎重に運びだしたその男は、射殺された犯人だった。 (編集KM) 「人民網日本語版」2010 年8月24日.
次のTVや新聞などでも、大きく報道され続けていますが、23日フィリピンのマニラでバスジャック事件が起き、人質15人の内、半数を超える計8人の死者が出るという最悪の大惨事となりました。 犯人は、ロサリオ・メンドーサ元警部 55。 麻薬、恐喝関連の汚職が発覚し、強制解雇されたことに怒りを覚えての腹いせとだったと報道されています。 本人は復職要求をしていたとのことですが、本当にただのヤケクソだったのか、もしくは薬物の影響化にあったのか……。 未だ詳細な部分ははっきりと伝えられてはいません。 自動小銃M16を所持していた。 同職だっただけに、警察の動きも大方把握していたと思われる。 状況の著しい悪化から、突入を決断したフィリピン警察。 ハンマーでガラスを割って中へ潜り込み、激しい銃撃戦が展開されました。 ほどなくして犯人は射殺されましたが、銃弾に当たり7人の乗客が死亡。 病院に運ばれた1人もまもなく死亡しました。 亡くなった8人はいずれも香港人。 異国での楽しい夏のバカンスが一転、血が飛び交う凄惨な殺戮現場と化してしまいました。 しかし、映像でも分かりますが、素人目にも伺いしれるのが、フィリピン警察の統率と手際の悪さです。 アメリカのなどと比べるのは酷な話かも知れませんが、あんまりでは無いでしょうか。 後手に回り、無理な突入を強いられるような状況化に追い込まれてしまったのだとは思います。 しかし、命を賭けて突入した警官の方々には申し訳ないのですが、どう見ても警官の流れ弾で亡くなった犠牲者の方もいるのではないかと勘ぐりたくなるのも正直なところ。 細かな状況は、これから生存した乗客の話などで明らかになる可能性も高いと思われます。 こういったバスジャック事件での突入で思い出すのが、2000年に日本で起こったです。 2ちゃんねるで「ネオ麦茶」と名乗る少年が、包丁一本を持っての凶行で、女性一人が失血死するまでに至った痛ましい事件でした。 あの事件で突入し少年を取り押さえたのが日本版SWATと言われる、です。 当事件が元で、日本のテロ犯罪への危機管理意識や特殊部隊への考え方にも大きく変化があったと言います。 在フィリピン中国大使館を通じて、中国政府もこの度の事件を強く非難し、「中国人の安全を確保する具体的な措置を講ずることを求める」との声明を発表。 大変痛ましく救いようのない事件です。 海外旅行に行く際、特にフィリピンのような、治安の悪い国は特にですが、細心の注意、警戒が必要。 もちろん今回の亡くなった香港の方々も、ある程度の心づもりはされていたと思いますが……。 日本では、滅多に起こる類いの事件で無いのは事実です。 銃火器の入手が海外より困難だという部分でも、対岸の危険地帯の話と思われる日本人の方も多いでしょう。 しかし、日本国内でも西鉄事件のような類似事件は起こっています。 尚かつ、海外旅行先でいつこのような状況化に置かれるかも分かりません。 自分としても、バスという身近な乗り物で起きた凶行ということも含め、心底、背筋が寒くなるような思いがしました。 フィリピンの観光収入にも大打撃を与えそうなこの事件。 フィリピン政府ならびにアキオ大統領の、治安回復に向けた真摯な態度と、早急な対策実施を望みます。 今回犠牲にあわれた方々のご冥福を、心よりお祈りいたします。
次のフィリピンでは TVでもラジオでも連日この事件について報道されています。 ・事件現場にフィリピンの大統領が視察をして、各方面に 『真相究明』を指示しました。 ・ 香港政府の代表2人が事件現場で 現場検証を行っていました。 ・ 香港ではどのような形で報道されているかをフィリピンはとても気にしています。 ・香港では "フィリピン人メイド"がたくさん働いています。 この事件をきっかけに、 フィリピン人が不当な扱いを受けるのでは?とフィリピン人は心配しています。 一方香港では・・・(香港の友人に聞いたところ) ・昨日の夜、犠牲者が香港に帰国しました。 空港にはフィリピン政府を非難するプラカードを持った人たちが出迎えていました。 (フィリピンのTVでも放映されていました) ・フィリピンのアキノ大統領の謝罪会見が香港でも放送され、香港の人たちには 「誠実に謝罪していない」と受け取られているようです。 今回の事件で "フィリピンの警察の能力"が全世界にわかってしまいました。 それを躍起になってフィリピンの警察は消そうとしています。 フィリピン人は 「他人にいちいち言われたくない」「自分の責任を絶対に認めたくない」などの性格が邪魔をして 「今回の事件を契機に改善しよう」となかなか思えないのでは?・・・ニュースをも見て思いました。
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