イノライフ。 イノウーの憂鬱 (12) ラクトアイス:Press Enter■:エンジニアライフ

【楽天市場】ライフイノテック 楽天市場店 [支払・配送方法]

イノライフ

最後まで続いていた首都圏の移動自粛も、6 月19 日には全面的に解除される見込み、と報道されると、待ちかねたように、停滞していたビジネスが活動を再開した。 ペンディングになっていた、エースシステムの受発注管理システムとのデータ連携もその一つだ。 早々に話を進めたいとの連絡が、エースシステムから入ったのは、関東地方の梅雨入りが宣言された6 月11 日だ。 その日のうちに経営管理部部長より、システム開発室に対して準備命令が下され、ぼくたちは早速準備に取りかかった。 移動自粛解除といっても、COVID-19 の脅威が去ったわけではないので、必要な打ち合わせや情報交換はオンライン上で行われる予定だが、最初の顔合わせだけは生身の人間同士で行うことになった。 エースシステム側の希望によるもので、もちろん、こちらがエースシステム横浜に出向くことになる。 相手は日本有数のSIer だ。 平時なら、システム開発室のメンバーはもちろん、経営管理部部長、総務課課長、IT システム管理課課長に加えて、役員の一人ぐらいは同行しても不思議ではない。 大人数での訪問は、それだけエースシステムとの関係を重視していることの表明だと考えるのが、この会社の慣習だ。 ただ、現在の状況では、非礼と非常識を公言しているようなものだから、訪問の人数は最小限に抑えられた。 斉木室長とぼく、それにIT システム管理課の戸室課長だ。 戸室課長はインフラ実務面でのスキルは皆無に近いが、さすがに課長職の人間が一人も同行しないのはいかがなものか、という理由で追加された。 顔合わせの日時は、6 月22 日の午前中ということで調整が進んでいたが、途中で横やりが入った。 伊牟田課長が参加を要求してきたためだった。 7 月からシステム開発室の新しいリーダーとなる自分が蚊帳の外、というのはおかしい、という理由だ。 顔合わせは、伊牟田課長の予定に合わせてリスケされることになり、それを聞いたぼくは、ため息をついた。 伊牟田<蛇の舌>課長が、システム開発室の管理者という肩書きだけで満足するのではなく、実業務にも手出し口出しをする気満々であることがわかったからだ。 とはいえ、職制上は所属部署のボスにあたる人だ。 システム開発室が総力を挙げて取り組むプロジェクトで「報告書を読んで、ハンコだけ押していてください」というわけにもいかない。 せめて、事前に準備を進めておいて、伊牟田課長が余計な口出しをする機会を可能な限り減らすことぐらいしか思いつかなかった。 実際、事前準備としてやっておくべきことは、たくさんあった。 エースシステムが受発注管理データを、他社と連携するのは初めてではなく、VPN とAPI 一式で構成されるパッケージが存在しているので、こちらとしては、それに準じた仕組みを構築しなければならない。 マーズ・エージェンシーの受発注管理は、10 年以上前にJava で作成されたシステムで、外部とのデータ連携など全く考慮されていなかったので、インフラ面も含めて、決めておかなければならない項目は100 以上に上った。 エースシステムから受領済みのAPI 仕様によれば、データの送受信は標準的なWebAPI などではなく、固定長のデータを使用する独自プロトコルを使用することになっている。 社内LAN から接続可能なのは、http、https、ssh だけで、それ以外の場合は個別に許可してもらう必要がある。 ぼくは湊くんに連絡を取った。 「ポート番号はまだわからないんですね」Teams のビデオ会議で、湊くんは顔をしかめた。 「わからないとファイアウォールの設定ができないんですが」 「VPN 環境が整ったときに、払い出されるらしくて」ぼくはAPI 仕様を見ながら答えた。 「どうしてもギリギリになってしまうんだ。 何とかなる?」 「何とかするしかないでしょう、そりゃ」湊くんは苦笑した。 「悪いね。 VPN の方はどう?」 「手続き全体に2 週間ぐらいかかるみたいですね。 ルーターとスイッチを増設しないといけないですが、それは平行してやれるんで。 まあ、諸々の設定も考えると、7 月いっぱいでテスト開始できると思います」 「こっちもそれぐらいはかかりそうだから、ちょうどいいんじゃないかな」 ぼくたちは、いくつかの懸念事項を相談した後、定期的に情報交換することを決めた。 「あ、ところで」最後に湊くんは思い出したように訊いた。 「イノウーさん、笠掛となんかあったんですか?」 「え?」ぼくは驚いてマウスの動きを止めた。 笠掛さんがどうかした?」 「今度、同期でオンライン飲み会やろうかって話があって。 おとつい、ちょっとTeams で話したんですけど、あんま乗り気じゃなかったみたいで。 なんとなく元気がなかったし」 「そりゃ、そういう日もあるよ」 「でも、日を置いて話したときも、同じだったんですよ。 いつもなら、真っ先に音頭とって企画するようなやつなのに」 そういえば湊くんとマリは同期入社だったか。 ぼくは、ここ数日のマリの様子を思い浮かべた。 総務からのrivendell の修正依頼が何件か入っていて、いずれもhtml 上の修正だけだったので、マリに一任していた。 何度かTeams で打ち合わせをしているが、湊くんが言うように、元気がないという印象は受けなかった。 「別に普通だと思うけど。 っていうか、どうしてぼくと何かあったって思ったの?」 「え?」湊くんは意外そうな顔になった。 「それ訊きます?」 「そりゃ訊くよ」 「ちょっと待ってください。 え、そうなんですか? マジか。 てっきりそういうことになってるもんだとばかり...... 」 一体、何の話をしているのかわからない。 首を傾げていると、湊くんは慌てたように言った。 「すいません。 余計なことでした。 忘れてください。 それじゃあ」 一方的にビデオ会議は終了となり、ぼくはポカンと口を開けたまま、Teams の画面を見つめていた。 そのときは大して気にも留めなかったが、翌週の月曜日、システム開発室のミーティングの際、ぼくは湊くんとの会話を思い出し、いつも以上にマリの顔に注目した。 だが、時間通りにビデオ会議に参加してきたマリの表情は、いつもと変わらず、元気がないという印象ではない。 挨拶の言葉もハキハキしていた。 定例ミーティングでは、各自がやっている作業の進捗や問題点を報告しあっている。 ぼくが受発注管理データ連携について報告した後、マリがrivendell の修正がおおよそ終わり、明日の朝、リリースする予定であることを報告した。 「今回はFont Awesome でしのいだんですが」マリは落ち着いた口調で言った。 「やっぱりフォトショがあると、何かと便利なんで、ライセンスひとつ買ってもらえないですか」 「ああ、それね」斉木室長が渋面を作った。 「それとなく総務課に訊いてみたんだけど、あまりいい反応じゃなかったんだよね。 どうしても必要ってことであれば、正式に稟議出すけど」 「そうですか」マリはあっさり引き下がった。 「ま、どうしても必要ってわけじゃないので。 今のところは大丈夫です。 それで、一応、手が空いたんですけど」 「イノウーくん、どう?」 「そうですね」ぼくは少し考えた。 「暗号化対応の方、やってもらおうかな」 「受発注管理のAPI の話ですか?」木名瀬さんが訊いた。 ぼくは首肯した。 送受信データは暗号化しなければならないが、暗号化・復号はプロトコルと同様、エースシステムが独自に開発したライブラリが必要だ。 このライブラリはバイナリファイルと仕様書のみが提供されていて、通信毎にアクティベーションや暗号化キーの取得など、4 段階のステップを踏まなければならない。 しかも、ライブラリ自体がJava のクラスになっているため、Python から利用するには、さらにワンステップが必要となる。 ただ、暗号化・復号部分は、それ自体で独立した機能として作成でき、他機能の影響を受けないので、Python の勉強を兼ねてマリに切り出すには都合のいい規模だ。 「それをあたしがやるんですか?」マリは小首を傾げた。 「そういうのは、イノウーさんの方がいいと思うんですけど。 デザイン関係で何かないんですか?」 「どうかな。 エースとのデータ連携は、裏でやり取りするだけで、新しい画面を作るわけじゃないからね。 デザイン系は手を入れるところがないと思うよ」 「そうですか。 じゃあ、はい、わかりました」 「わからないところがあったら、訊いてくれていいから」 「ありがとうございます。 でも、いつまでも訊いてばかりいたら、自分の勉強にならないんで、やれるところまでは自分でやってみます」 「ああ、そうだね。 じゃあ、よろしく。 ところで」ぼくは全員に向けて提案した。 「いつまでも、エースシステムとの受発注管理データ連携案件、じゃ長いので、開発コードネームを付けませんか?」 「rivendell みたいな?」斉木室長が訊いた。 「そういうやつです」 「作業が本格的になったら、工数管理のプロジェクト名がいります」木名瀬さんが頷いた。 「そのうち決めなければならないのであれば、今、決めておくのもいいでしょうね。 このメンバーが決定権を持っている間に」 言い換えれば、伊牟田課長の許可を得る必要がない今のうちに、ということだ。 「確かにね。 何かいいのあるかな」 「いくつか考えてみたんですが」ぼくはデスクトップに置いたテキストファイルを開いた。 「ブランディワイン、ローハン、シャドウファクス...... 」 「それなら」木名瀬さんが笑いながら言った。 「エレボールとか、カラズラス、モリアあたりがいいですね」 「ドワーフ関連ばかりじゃないですか」 「イノウーくんはエルフ推しかもしれないけど、私はドワーフ推しなんです」 「モリアって、あまりいい場所じゃないですよね。 それに...... 」 「あの!」 不意にマリが大声で遮ったので、ぼくたちは驚いて口をつぐんだ。 「なんでもかんでも指輪物語にちなんだ名前つけるのは、どうなんですか。 そりゃあ、木名瀬さんもイノウーさんも指輪オタクで、楽しいのかもしれませんけど、そうじゃない人もいるんですよ」 「あ、そうだね」ぼくは謝った。 「ごめん。 調子に乗ってしまって」 「ごめんなさい、マリちゃん」木名瀬さんは頭を下げた。 「確かにちょっと調子に乗っていました。 何かいい名前の案、ありますか?」 「さあ」マリは投げやりな口調で答えた。 「エムトゥエーとかじゃダメですか?」 M to A。 つまり、マーズ・エージェンシーからエースシステム、という意味か。 正直なところ、芸のない命名だと思ったものの、特に反対する理由もない。 「じゃ、それでいきますか」 斉木室長と木名瀬さんも同意したので、開発コード名は、m2A ということになった。 その後、何点かの連絡事項が斉木室長からあり、定例ミーティングは解散となった。 ぼくがマリの作業のために、暗号化ライブラリのドキュメントなどをまとめていると、Teams で木名瀬さんが呼びかけてきた。 何か言い忘れたことでもあったのか、と応答すると、木名瀬さんは開口一番、ぼくを問い詰めた。 「マリちゃんと何かあったんですか?」 前日の湊くんとの会話が、デジャヴとして蘇った。 ぼくは慌てて首を横に振った。 「え、いや、別に何もないですよ」ぼくは訊き返した。 「どうしてそう思うんですか?」 「どうしてって」木名瀬さんは、そんなこともわからないのか、と言わんばかりのあきれ顔になった。 「さっきのマリちゃん、どこかいつもと違っていましたよね。 正直なところ、びっくりしました」 「開発コードネームの件ですか? でも、あれは確かに正論で...... 」 「マリちゃんらしくないとは思いませんでしたか。 これまでなら、ブランディワインって、どんなお酒ですか、ぐらいのノリで会話に参加してきたでしょう」 「...... そう言われればそうかもしれませんけど。 今日は、笠掛さんがそういう気分じゃなかっただけかも」 「マリちゃんは、ああ見えて空気を読むんですよ」木名瀬さんは指摘した。 「その場の雰囲気が楽しいときに、正論でそれをぶち壊すような子ではありません。 それから、イノウーくん、気を付けているつもりかもしれませんが、私や斉木さんの前でも、何度か、マリちゃん、と呼んでいますよ。 だから、ムリして名字で呼ぶ必要はありません」 「...... 」 「で、何か心当たりはないんですか」 「そう言われても...... 」 だが、そのとき、数日前のことが記憶の表層に浮かび上がってきた。 Teams でrivendell の改修について短い打ち合わせを行った後、ぼくはふと先日のピクニックのときのことを思い出した。 「そういえば」ぼくはカレンダーアプリを見ながら言った。 「ブルーレイだけど、今月中の土曜日に免許の更新行くから、そのとき、どこかで待ち合わせて渡そうか?」 マリは躊躇うような表情を浮かべた後、斜め下の方を見ながら言った。 「ありがとうございます。 でも、ロード・オブ・ザ・リングなら、8 月にWOWOW で全部放送するみたいだから、そっちで見ます」 「へえ、そうなんだ。 エクステンデッド・エディション?」 「はい、長いやつです。 ホビットも一緒にやります」 「でも、ブルーレイなら特典映像もあるんだけど」 「本編を見てから、もし興味あったら、改めてお借りします。 それに」マリは小声で付け加えた。 「こんな時期に、わざわざ時間作って会うのはちょっと」 そのときは、それもそうだね、と言って、ビデオ会議を終えたのだが、今、思い返してみると、どこか違和感があった。 だが、それが何だったのかわからない。 「私がおかしいと思ったのは」木名瀬さんが言った。 「マリちゃんの話し方です」 「え、どういうことですか?」 木名瀬さんは小さくため息をついた。 「マリちゃんが、体育会系な、そうっすね、みたいな話し方をすることに気付いてませんでしたか?」 「それはさすがに気付いてましたよ。 そこまでぼーっとしてません」 「じゃあ、イノウーくんと話すときだけ、そういう語尾になっていたことにも、当然、気付いていたんでしょうね」 「...... 」 愕然となったぼくは、これまでのマリとの会話のシーンを脳内再生してみた。 全く意識していなかったが、木名瀬さんの指摘を念頭において記憶を辿ると、全員に向かって話すときは、「す」がなかったような気がする。 そうでしたか?」 「たとえば私と二人で話すときは、絶対にそういう言葉遣いはしません。 さっきのミーティングで、それがなかったんです」 「単にぼくが一番年齢が近いからってだけじゃ...... 」 「本気でそう思ってるんですか」木名瀬さんはまた嘆息した。 「空条承太郎ならきっとこう言いますよ。 やれやれだぜ」 「え、でも、つまり、要するに、結局のところ...... 笠掛さん、いや、マリちゃんは、その...... 」 湊くんの言葉がようやく腑に落ちた気がする。 「てっきりわかってるもんだと思っていました」木名瀬さんは苦笑した。 「いいですか。 ただでさえコロナのせいで厄介な状況になっている上に、来月からはあまり歓迎できない人物が、システム開発室のトップとして君臨することになります。 そこにきて、システム開発室の実質的な重要人物であるお二人がギクシャクしているというのは最悪の内憂外患です。 外の状況は何ともなりませんが、内部の問題点は、関係者全員のストレスを軽減させるためにも解消しておきたいんです。 わかりますね?」 「はあ」 「私の知る限り、ピクニックの日はマリちゃんはマリちゃんでした。 今日が15 日で、その間の平日は今日も入れて6 日間。 その6 日間の間に何かあったとしか思えません。 さて、イノウーくん、改めて訊きますが、あなたは一体、マリちゃんに何をしたんですか」 (続) この物語はフィクションです。 実在する団体名、個人とは一切関係ありません。 また、特定の技術や製品の優位性などを主張するものではありません。

次の

【楽天市場】ライフイノテック 楽天市場店 [支払・配送方法]

イノライフ

背景・目的 ヘルスケアやライフサイエンスに関わるベンチャー企業等の支援については、研究開発等に長い期間と多額の費用を要することから、ファンドや民間企業等から資金調達等の適切な支援を受ける環境を整備することが重要です。 そこで、ベンチャー企業等からの相談をワンストップで受け付ける相談窓口「Healthcare Innovation Hub(通称:InnoHub)」を2019年7月に設置しました。 本取組を通じて、ヘルスケアやライフサイエンス分野のベンチャーエコシステムを構築することを目指します。 Healthcare Innovation Hub(ワンストップ相談窓口)とは ヘルスケアやライフサイエンス分野に関する国や民間企業等のベンチャー支援関連施策の情報を集約し、幅広くベンチャー企業等の相談を受け付けるワンストップな相談窓口として「Heatlcare Innovation Hub](通称:InnoHub)を設置します()。 InnoHubは、ベンチャー企業等の相談内容に応じて、ベンチャー企業等の支援者(InnoHubアドバイザー)やベンチャー支援を行う同分野の事業会社等(サポーター団体)への情報提供を行うなど、多様なネットワークを活用してベンチャー企業等の相談者を支援します。 InnoHubは、ベンチャー企業等の相談を受け付けてInnoHubアドバイザーやサポーター団体を紹介するだけでなく、ヘルスケア関連のイベント等と連携し、相談者やInnoHubアドバイザー、サポーター団体にイベント等の関連情報を提供します。 InnoHubで受け付ける相談 InnoHubでは、ベンチャー企業だけでなく中小企業や大企業等の団体や創業前の個人等から、資金調達や人材確保、事業推進や拡大、海外展開など、ヘルスケアやライフサイエンスに関するビジネスについて幅広く相談を受け付けます。 (相談例)• 創業支援• 資金調達• 人材、企業・団体等とのネットワーキング• 研究開発、実証実験の実施• 営業販路拡大、国際展開• 補助金、助成金等の検索 相談者がInnoHubから受けられる支援• InnoHubでは、関係省庁、政府系ファンドや民間ファンド等のベンチャー支援に関連する施策や予算を一元的に集約しており、相談内容に応じてその情報を享受することができます。 実際に同分野でベンチャー企業等の支援を行っている方々を「InnoHubアドバイザー」として登録します。 相談者はInnoHubを通じて、InnoHubアドバイザーの紹介を受けることができます。 自身が持つノウハウ等を用いて、ベンチャー企業等への支援を行う事業会社等を「サポーター団体」として登録します。 相談者はInnoHubを通じて、サポーター団体の紹介を受けることができます。 InnoHubアドバイザー ベンチャー企業等からの相談に応じて、相談者を支援していただく個人の方々を「InnoHubアドバイザー」と称します。 相談者はInnoHubを通じて、InnoHubアドバイザーの紹介を受けることができます。 InnoHubアドバイザー(2019年7月時点)• 阿久津靖子氏 一般社団法人日本次世代型先進高齢社会研究機構 代表理事• 0 Country Director, Japan、医師• 加藤浩晃氏 デジタルハリウッド大学大学院 客員教授、医師• 木村亮介氏 ライフタイムベンチャーズ 代表パートナー• 清峰正志氏 Kicker Ventures LLC CEO• 白坂一氏 特許業務法人白坂 創業者 弁理士、株式会社AI Samurai 代表取締役社長• 城野洋一氏 インフォコム株式会社 デジタルヘルスコネクト代表• 曽山明彦 一般社団法人ライフサイエンス・イノベーション・ネットワーク(LINK-J) 理事、事務局長• 田嶋清孝氏 EY新日本有限責任監査法人 企業成長サポートセンター シニアマネージャー/公認会計士• 丹下智広氏 株式会社INCJ ベンチャー・グロース投資グループ マネージングディレクター• 西村由美子氏 オーガストネットワークス株式会社 代表• 福島智史氏 株式会社グロービス・キャピタル・パートナー プリンシパル• 藤原選氏 EY新日本有限責任監査法人 企業成長サポートセンター シニアパートナー/公認会計士• 守屋実氏 株式会社守屋実事務所 代表取締役• 吉澤美弥子氏 Coral Capital シニアアソシエイト (氏名五十音順) InnoHubアドバイザーの詳細は、以下のInnoHubアドバイザー紹介ページを参照ください。 サポーター団体 自身が持つノウハウ等を用いて、ベンチャー企業等の相談者に対して支援を行う事業会社や投資家、自治体等の団体を「サポーター団体」と称します。 サポーター団体は、相談者の希望に応じてInnoHubあるいはInnoHubアドバイザーを通じて相談者の紹介を受けることができます。 また、反対にサポーター団体は、希望に応じて、InnoHubやInnoHubアドバイザーを介して相談者とマッチングすることができます。 相談者との相談はお互いのビジネスの中で行います。 サポーター団体はInnoHubを通じて、相談者への支援を行うだけでなく、連携するヘルスケア関連のイベントの情報提供を受けることができます。 サポーター団体の募集について 新規のサポーター団体は継続的に募集しています。 詳細は、以下のサポーター団体募集サイトを参照ください。 サポーター団体一覧 最新のサポーター団体一覧は、以下のサポーター団体一覧ページを参照ください。

次の

【楽天市場】ライフイノテック 楽天市場店 [支払・配送方法]

イノライフ

最後まで続いていた首都圏の移動自粛も、6 月19 日には全面的に解除される見込み、と報道されると、待ちかねたように、停滞していたビジネスが活動を再開した。 ペンディングになっていた、エースシステムの受発注管理システムとのデータ連携もその一つだ。 早々に話を進めたいとの連絡が、エースシステムから入ったのは、関東地方の梅雨入りが宣言された6 月11 日だ。 その日のうちに経営管理部部長より、システム開発室に対して準備命令が下され、ぼくたちは早速準備に取りかかった。 移動自粛解除といっても、COVID-19 の脅威が去ったわけではないので、必要な打ち合わせや情報交換はオンライン上で行われる予定だが、最初の顔合わせだけは生身の人間同士で行うことになった。 エースシステム側の希望によるもので、もちろん、こちらがエースシステム横浜に出向くことになる。 相手は日本有数のSIer だ。 平時なら、システム開発室のメンバーはもちろん、経営管理部部長、総務課課長、IT システム管理課課長に加えて、役員の一人ぐらいは同行しても不思議ではない。 大人数での訪問は、それだけエースシステムとの関係を重視していることの表明だと考えるのが、この会社の慣習だ。 ただ、現在の状況では、非礼と非常識を公言しているようなものだから、訪問の人数は最小限に抑えられた。 斉木室長とぼく、それにIT システム管理課の戸室課長だ。 戸室課長はインフラ実務面でのスキルは皆無に近いが、さすがに課長職の人間が一人も同行しないのはいかがなものか、という理由で追加された。 顔合わせの日時は、6 月22 日の午前中ということで調整が進んでいたが、途中で横やりが入った。 伊牟田課長が参加を要求してきたためだった。 7 月からシステム開発室の新しいリーダーとなる自分が蚊帳の外、というのはおかしい、という理由だ。 顔合わせは、伊牟田課長の予定に合わせてリスケされることになり、それを聞いたぼくは、ため息をついた。 伊牟田<蛇の舌>課長が、システム開発室の管理者という肩書きだけで満足するのではなく、実業務にも手出し口出しをする気満々であることがわかったからだ。 とはいえ、職制上は所属部署のボスにあたる人だ。 システム開発室が総力を挙げて取り組むプロジェクトで「報告書を読んで、ハンコだけ押していてください」というわけにもいかない。 せめて、事前に準備を進めておいて、伊牟田課長が余計な口出しをする機会を可能な限り減らすことぐらいしか思いつかなかった。 実際、事前準備としてやっておくべきことは、たくさんあった。 エースシステムが受発注管理データを、他社と連携するのは初めてではなく、VPN とAPI 一式で構成されるパッケージが存在しているので、こちらとしては、それに準じた仕組みを構築しなければならない。 マーズ・エージェンシーの受発注管理は、10 年以上前にJava で作成されたシステムで、外部とのデータ連携など全く考慮されていなかったので、インフラ面も含めて、決めておかなければならない項目は100 以上に上った。 エースシステムから受領済みのAPI 仕様によれば、データの送受信は標準的なWebAPI などではなく、固定長のデータを使用する独自プロトコルを使用することになっている。 社内LAN から接続可能なのは、http、https、ssh だけで、それ以外の場合は個別に許可してもらう必要がある。 ぼくは湊くんに連絡を取った。 「ポート番号はまだわからないんですね」Teams のビデオ会議で、湊くんは顔をしかめた。 「わからないとファイアウォールの設定ができないんですが」 「VPN 環境が整ったときに、払い出されるらしくて」ぼくはAPI 仕様を見ながら答えた。 「どうしてもギリギリになってしまうんだ。 何とかなる?」 「何とかするしかないでしょう、そりゃ」湊くんは苦笑した。 「悪いね。 VPN の方はどう?」 「手続き全体に2 週間ぐらいかかるみたいですね。 ルーターとスイッチを増設しないといけないですが、それは平行してやれるんで。 まあ、諸々の設定も考えると、7 月いっぱいでテスト開始できると思います」 「こっちもそれぐらいはかかりそうだから、ちょうどいいんじゃないかな」 ぼくたちは、いくつかの懸念事項を相談した後、定期的に情報交換することを決めた。 「あ、ところで」最後に湊くんは思い出したように訊いた。 「イノウーさん、笠掛となんかあったんですか?」 「え?」ぼくは驚いてマウスの動きを止めた。 笠掛さんがどうかした?」 「今度、同期でオンライン飲み会やろうかって話があって。 おとつい、ちょっとTeams で話したんですけど、あんま乗り気じゃなかったみたいで。 なんとなく元気がなかったし」 「そりゃ、そういう日もあるよ」 「でも、日を置いて話したときも、同じだったんですよ。 いつもなら、真っ先に音頭とって企画するようなやつなのに」 そういえば湊くんとマリは同期入社だったか。 ぼくは、ここ数日のマリの様子を思い浮かべた。 総務からのrivendell の修正依頼が何件か入っていて、いずれもhtml 上の修正だけだったので、マリに一任していた。 何度かTeams で打ち合わせをしているが、湊くんが言うように、元気がないという印象は受けなかった。 「別に普通だと思うけど。 っていうか、どうしてぼくと何かあったって思ったの?」 「え?」湊くんは意外そうな顔になった。 「それ訊きます?」 「そりゃ訊くよ」 「ちょっと待ってください。 え、そうなんですか? マジか。 てっきりそういうことになってるもんだとばかり...... 」 一体、何の話をしているのかわからない。 首を傾げていると、湊くんは慌てたように言った。 「すいません。 余計なことでした。 忘れてください。 それじゃあ」 一方的にビデオ会議は終了となり、ぼくはポカンと口を開けたまま、Teams の画面を見つめていた。 そのときは大して気にも留めなかったが、翌週の月曜日、システム開発室のミーティングの際、ぼくは湊くんとの会話を思い出し、いつも以上にマリの顔に注目した。 だが、時間通りにビデオ会議に参加してきたマリの表情は、いつもと変わらず、元気がないという印象ではない。 挨拶の言葉もハキハキしていた。 定例ミーティングでは、各自がやっている作業の進捗や問題点を報告しあっている。 ぼくが受発注管理データ連携について報告した後、マリがrivendell の修正がおおよそ終わり、明日の朝、リリースする予定であることを報告した。 「今回はFont Awesome でしのいだんですが」マリは落ち着いた口調で言った。 「やっぱりフォトショがあると、何かと便利なんで、ライセンスひとつ買ってもらえないですか」 「ああ、それね」斉木室長が渋面を作った。 「それとなく総務課に訊いてみたんだけど、あまりいい反応じゃなかったんだよね。 どうしても必要ってことであれば、正式に稟議出すけど」 「そうですか」マリはあっさり引き下がった。 「ま、どうしても必要ってわけじゃないので。 今のところは大丈夫です。 それで、一応、手が空いたんですけど」 「イノウーくん、どう?」 「そうですね」ぼくは少し考えた。 「暗号化対応の方、やってもらおうかな」 「受発注管理のAPI の話ですか?」木名瀬さんが訊いた。 ぼくは首肯した。 送受信データは暗号化しなければならないが、暗号化・復号はプロトコルと同様、エースシステムが独自に開発したライブラリが必要だ。 このライブラリはバイナリファイルと仕様書のみが提供されていて、通信毎にアクティベーションや暗号化キーの取得など、4 段階のステップを踏まなければならない。 しかも、ライブラリ自体がJava のクラスになっているため、Python から利用するには、さらにワンステップが必要となる。 ただ、暗号化・復号部分は、それ自体で独立した機能として作成でき、他機能の影響を受けないので、Python の勉強を兼ねてマリに切り出すには都合のいい規模だ。 「それをあたしがやるんですか?」マリは小首を傾げた。 「そういうのは、イノウーさんの方がいいと思うんですけど。 デザイン関係で何かないんですか?」 「どうかな。 エースとのデータ連携は、裏でやり取りするだけで、新しい画面を作るわけじゃないからね。 デザイン系は手を入れるところがないと思うよ」 「そうですか。 じゃあ、はい、わかりました」 「わからないところがあったら、訊いてくれていいから」 「ありがとうございます。 でも、いつまでも訊いてばかりいたら、自分の勉強にならないんで、やれるところまでは自分でやってみます」 「ああ、そうだね。 じゃあ、よろしく。 ところで」ぼくは全員に向けて提案した。 「いつまでも、エースシステムとの受発注管理データ連携案件、じゃ長いので、開発コードネームを付けませんか?」 「rivendell みたいな?」斉木室長が訊いた。 「そういうやつです」 「作業が本格的になったら、工数管理のプロジェクト名がいります」木名瀬さんが頷いた。 「そのうち決めなければならないのであれば、今、決めておくのもいいでしょうね。 このメンバーが決定権を持っている間に」 言い換えれば、伊牟田課長の許可を得る必要がない今のうちに、ということだ。 「確かにね。 何かいいのあるかな」 「いくつか考えてみたんですが」ぼくはデスクトップに置いたテキストファイルを開いた。 「ブランディワイン、ローハン、シャドウファクス...... 」 「それなら」木名瀬さんが笑いながら言った。 「エレボールとか、カラズラス、モリアあたりがいいですね」 「ドワーフ関連ばかりじゃないですか」 「イノウーくんはエルフ推しかもしれないけど、私はドワーフ推しなんです」 「モリアって、あまりいい場所じゃないですよね。 それに...... 」 「あの!」 不意にマリが大声で遮ったので、ぼくたちは驚いて口をつぐんだ。 「なんでもかんでも指輪物語にちなんだ名前つけるのは、どうなんですか。 そりゃあ、木名瀬さんもイノウーさんも指輪オタクで、楽しいのかもしれませんけど、そうじゃない人もいるんですよ」 「あ、そうだね」ぼくは謝った。 「ごめん。 調子に乗ってしまって」 「ごめんなさい、マリちゃん」木名瀬さんは頭を下げた。 「確かにちょっと調子に乗っていました。 何かいい名前の案、ありますか?」 「さあ」マリは投げやりな口調で答えた。 「エムトゥエーとかじゃダメですか?」 M to A。 つまり、マーズ・エージェンシーからエースシステム、という意味か。 正直なところ、芸のない命名だと思ったものの、特に反対する理由もない。 「じゃ、それでいきますか」 斉木室長と木名瀬さんも同意したので、開発コード名は、m2A ということになった。 その後、何点かの連絡事項が斉木室長からあり、定例ミーティングは解散となった。 ぼくがマリの作業のために、暗号化ライブラリのドキュメントなどをまとめていると、Teams で木名瀬さんが呼びかけてきた。 何か言い忘れたことでもあったのか、と応答すると、木名瀬さんは開口一番、ぼくを問い詰めた。 「マリちゃんと何かあったんですか?」 前日の湊くんとの会話が、デジャヴとして蘇った。 ぼくは慌てて首を横に振った。 「え、いや、別に何もないですよ」ぼくは訊き返した。 「どうしてそう思うんですか?」 「どうしてって」木名瀬さんは、そんなこともわからないのか、と言わんばかりのあきれ顔になった。 「さっきのマリちゃん、どこかいつもと違っていましたよね。 正直なところ、びっくりしました」 「開発コードネームの件ですか? でも、あれは確かに正論で...... 」 「マリちゃんらしくないとは思いませんでしたか。 これまでなら、ブランディワインって、どんなお酒ですか、ぐらいのノリで会話に参加してきたでしょう」 「...... そう言われればそうかもしれませんけど。 今日は、笠掛さんがそういう気分じゃなかっただけかも」 「マリちゃんは、ああ見えて空気を読むんですよ」木名瀬さんは指摘した。 「その場の雰囲気が楽しいときに、正論でそれをぶち壊すような子ではありません。 それから、イノウーくん、気を付けているつもりかもしれませんが、私や斉木さんの前でも、何度か、マリちゃん、と呼んでいますよ。 だから、ムリして名字で呼ぶ必要はありません」 「...... 」 「で、何か心当たりはないんですか」 「そう言われても...... 」 だが、そのとき、数日前のことが記憶の表層に浮かび上がってきた。 Teams でrivendell の改修について短い打ち合わせを行った後、ぼくはふと先日のピクニックのときのことを思い出した。 「そういえば」ぼくはカレンダーアプリを見ながら言った。 「ブルーレイだけど、今月中の土曜日に免許の更新行くから、そのとき、どこかで待ち合わせて渡そうか?」 マリは躊躇うような表情を浮かべた後、斜め下の方を見ながら言った。 「ありがとうございます。 でも、ロード・オブ・ザ・リングなら、8 月にWOWOW で全部放送するみたいだから、そっちで見ます」 「へえ、そうなんだ。 エクステンデッド・エディション?」 「はい、長いやつです。 ホビットも一緒にやります」 「でも、ブルーレイなら特典映像もあるんだけど」 「本編を見てから、もし興味あったら、改めてお借りします。 それに」マリは小声で付け加えた。 「こんな時期に、わざわざ時間作って会うのはちょっと」 そのときは、それもそうだね、と言って、ビデオ会議を終えたのだが、今、思い返してみると、どこか違和感があった。 だが、それが何だったのかわからない。 「私がおかしいと思ったのは」木名瀬さんが言った。 「マリちゃんの話し方です」 「え、どういうことですか?」 木名瀬さんは小さくため息をついた。 「マリちゃんが、体育会系な、そうっすね、みたいな話し方をすることに気付いてませんでしたか?」 「それはさすがに気付いてましたよ。 そこまでぼーっとしてません」 「じゃあ、イノウーくんと話すときだけ、そういう語尾になっていたことにも、当然、気付いていたんでしょうね」 「...... 」 愕然となったぼくは、これまでのマリとの会話のシーンを脳内再生してみた。 全く意識していなかったが、木名瀬さんの指摘を念頭において記憶を辿ると、全員に向かって話すときは、「す」がなかったような気がする。 そうでしたか?」 「たとえば私と二人で話すときは、絶対にそういう言葉遣いはしません。 さっきのミーティングで、それがなかったんです」 「単にぼくが一番年齢が近いからってだけじゃ...... 」 「本気でそう思ってるんですか」木名瀬さんはまた嘆息した。 「空条承太郎ならきっとこう言いますよ。 やれやれだぜ」 「え、でも、つまり、要するに、結局のところ...... 笠掛さん、いや、マリちゃんは、その...... 」 湊くんの言葉がようやく腑に落ちた気がする。 「てっきりわかってるもんだと思っていました」木名瀬さんは苦笑した。 「いいですか。 ただでさえコロナのせいで厄介な状況になっている上に、来月からはあまり歓迎できない人物が、システム開発室のトップとして君臨することになります。 そこにきて、システム開発室の実質的な重要人物であるお二人がギクシャクしているというのは最悪の内憂外患です。 外の状況は何ともなりませんが、内部の問題点は、関係者全員のストレスを軽減させるためにも解消しておきたいんです。 わかりますね?」 「はあ」 「私の知る限り、ピクニックの日はマリちゃんはマリちゃんでした。 今日が15 日で、その間の平日は今日も入れて6 日間。 その6 日間の間に何かあったとしか思えません。 さて、イノウーくん、改めて訊きますが、あなたは一体、マリちゃんに何をしたんですか」 (続) この物語はフィクションです。 実在する団体名、個人とは一切関係ありません。 また、特定の技術や製品の優位性などを主張するものではありません。

次の