ポケモン 夢 小説 キバナ。 ドラゴンストームの恋模様 (ページ21)

『【ポケモン】もう一般人ですよ』

ポケモン 夢 小説 キバナ

「ユウリちゃん!あっちでキャンプやってるんだけど行かない?珍しいポケモンが来てるらしいよ」 「へぇ、珍しいって一体どんなだ?ドラゴンタイプとか?」 「えっ……」 探していたユウリちゃんをやっと見つけて飛びつくと、ユウリちゃんではなくて目の前の壁だと思っていたものがぬっと動いて突然話しかけてきたので、私は思わずピタリと固まってしまった。 ギギギ、とブリキ人形のようにして見上げると、そこには何度も画面や雑誌を通して見たことのある男の人が立っていて、一瞬頭の中が真っ白になった。 だけどいつまでも黙っているわけにもいかない。 うん?どうなんだ?なんて視線を合わるように屈んできたけど、体がとっても大きいから威圧感が凄い。 初対面のはずなのに距離も凄く近いし、思わず一歩後退ってしまう。 「ど、ドラゴンタイプ……いた、ような……何でも、シンオウ地方から来た人で、ガブリアスを連れているとか……?」 「シンオウ地方のドラゴンタイプ?ここじゃ見れないポケモンが拝めるのか」 そう言ってにやりと笑ったのは、ナックルシティのジムリーダーであり世の女性からも大人気のキバナさんだった。 大きすぎて壁だと思っていたのがまさかあのキバナさんだったなんて。 そりゃあ驚くし暫く話せなくたって仕方ないと思うんだ。 社交的なホップくんに話しかけられたことからユウリちゃんとも知り合いになったけど、ユウリちゃんはとっても顔が広い。 ジム戦をしているんだからジムリーダーとは顔見知りでもおかしくないし、色んなところに旅をしているから顔も広いんだろう。 だけど、まさかユウリちゃんがキバナさんとこんな普通に道端でお喋りしてるくらい仲が良いなんて思いもしなかった。 「えっと……ユウリちゃん、どうする?」 「ごめんね、行きたいんだけど、私もキバナさんもソニアさんに呼ばれていて……何でも新しい研究のことがどうだとか……よくわからないんだけど」 とりあえず元々の目的であったユウリちゃんに声をかけると、ユウリちゃんが振り返って少し眉を下げた。 そういえばユウリちゃんはよくソニアさんとかに何か伝承のこととかも相談されていたし、今でも色々とお話を聞いているのかもしれない。 私にはわからないことばかりだから大変だなぁとか凄いなぁくらいしか思っていなかったけど。 私よりもずっと年下なのに、ユウリちゃんはしっかりしている。 やっぱり旅をするとそうなるんだろうか。 ずっとナックルシティにいてあんまり遠くまで出かけたこともない私とは大違いだ。 「そうなんだ……じゃあ仕方ないね」 「クッソ~~~そう言えばそうだったなぁ!ドラゴンタイプ……仕方ねぇ、行くぞユウリ」 「はあい!それじゃあまたね!今度一緒にキャンプしよう」 「うん。 楽しみにしてる」 キバナさんにさっさと腕を引かれるユウリちゃんに手を振る。 もしかして予定さえ合えばキバナさんも来るつもりだったんだろうか。 私はユウリちゃんを誘ったんだけど……予定が合わなかったのは残念だけど、もしソニアさんから呼ばれていなかったらキバナさんもついて来たのかと思うと、一人なら一人でいいかもな、なんて思ってしまった。 ひらひらと手を振っていると、キバナさんが急にこっちを振り返るので思わずピタリと手を止めてしまった。 大きいからか自然と見下ろされるような形になり、少し萎縮してしまう。 ジム戦なんかに興味がない私はこんな有名な人に会うことなんて中々ないから、目の前にジムリーダーがいるってだけでなんかもう緊張してしまう。 そりゃ何度かキバナさんとダンテさんのポケモンバトルを見たことはあるし、それこそキバナさんのインスタを友達に見せられたこともあるけど。 話すなんて初めてだし、こんな近距離で見るのも初めてなのだ。 「お前、ガブリアスがどんなポケモンか動画に撮ってユウリに送っておいてくれよ。 後でオレさまもユウリからその動画を見せてもらうからよ」 「え?あっはい……ワカリマシタ」 えぇ……と思ったけど嫌なんて言えなくて、私は渋々と頷いた。 私の態度なんて別に気にならないのか、キバナさんはニパッと笑って頼んだぜ、と言ってきて、綿ははぁ、と生返事を返すことしかできなかった。 本当にドラゴンタイプのポケモンが好きなんだな、と感心してしまう。 まぁいいか、せっかくだから私はキャンプを楽しんでこよう。 そう思ってユウリちゃんたちとは反対方向へ走り出す。 何でもそのトレーナーはたまたま旅行でここに来ただけだから、明日には帰ってしまうらしい。 こっちのポケモンを何匹か捕まえて、出来ればタマゴも欲しいと言っていたのを聞いた。 私の家には親戚がそら飛ぶタクシーのココガラを育てる仕事をしている人がいるので、ひこうタイプのポケモンのタマゴをたまにもらうことがある。 私は自分で一匹アーマーガァまで育てたし、あとはポケモンを始めたばかりの子にあげることが多いんだけど、その人のためにとココガラのタマゴを一つ持ってきたのだ。 いらなければ別に返してくれたらいいし、珍しいポケモンやタマゴと交換してもらえたらラッキーくらいの気持ちだった。 せっかくここまで来てくれたんだから、何か思い出に残るようなものがあったらいいなという思いもある。 タマゴから育てるポケモンってやっぱり特別可愛く思えるしね。 だから、まさかそのトレーナーさんがココガラのタマゴが欲しくて欲しくて仕方なかったなんて知りもしなかったし、嬉しさのあまりフカマルのタマゴと交換してくれるなんて、夢にも思わなかったのだ。 ほくほくと大事にタマゴを抱えて家に帰り、そしてトレーナーさんに頼んで撮らせてもらったガブリアスの動画をユウリちゃんに送った。 そういえばドラゴンタイプを育てるのは初めてかもしれない。 初めてみたけどガブリアス、とってもカッコよかった。 凄く戦闘バランスのいいポケモンだからオススメだよ!ってトレーナーさんにもごり押しされたしね。 私ポケモンバトルにあんまり興味がないからそこまで気にしてはいなかったけど、そうは言える雰囲気ではなかった。 確かドラゴンタイプはタマゴの孵化にとっても時間がかかるから、明日からはワイルドエリアでロトム自転車でサイクリングだと一人息巻いていた。 ほのおのからだを持ってるポケモンを私は持っていないので、気長に孵化するのを待とう。 孵化するまでのわくわくして待ち遠しい気持ちも嫌いじゃないし。 ベッドでゴロゴロしながらユウリちゃんにガブリアスの動画を送る時に、ちゃんと確認をしなかった私がいけないのはわかっている。 タマゴをくれたトレーナーさんの「フカマルのタマゴ、大事にしてね!」と私の名前を呼ぶ音声が入っていたなんてすっかり忘れていたのだ。 そんなことに気付きもしないで、私はタマゴを抱えてすやすやと呑気に眠ってしまった。 明日からのことが楽しみで、孵化したフカマルと何をしようなんて考えながら。 [newpage] 「フカマルのタマゴ、あるんだろ?」 「ななな、何でそれを……」 いい笑顔で私を止めたのは、昨日ぶりに見るキバナさんだった。 天気は快晴!ワイルドエリアも快晴!ということで、早速孵化するためにワイルドエリアへ向かう途中、ナックルシティを意気揚々とロトム自転車で爆走している私の前に突然現れたキバナさんに慌ててブレーキを踏んだ。 あ、危ない!この自転車はスピード改良していないからいいけど、もししていたらぶつかっていたかもしれない。 突然目の前に飛び出して来たキバナさんは大してビックリもしていないのか、自分のロトムスマホを私の前にずい、と見せてきた。 「昨日は動画サンキューな。 ユウリから送られてきたぜ」 「は、はぁ……それはよかったです」 「で、あるんだろ」 キバナさんの言葉に私は思わず目を逸らした。 ロトムスマホから聞こえる昨日のトレーナーさんの声に、私はしまった、と内心で物凄い後悔をしている真っ最中なのだ。 なんで音声消さなかったんだ、私。 いやガブリアスの鳴き声とかあった方が、きっと喜ぶと……思ったことも、ない……こともない…… まさか自分の思いやりがこんな形で返ってくるなんて思いもしなかった。 リュックの中に入ったタマゴのことを考えて、私はがっくりと項垂れる。 それから諦めてキバナさんを見ると、キバナさんはさっきよりも一層笑みを深めて、そしてずい、と顔を近づけてきた。 普段SNSで何万いいねも叩き出しているらしい最高のシャッターチャンスの笑顔を私に向けて、そして私の肩にその大きな手を置いた。 「ドラゴンタイプのことはオレさまに任せな」 「…………はい?」 「ユウリに聞いたけどドラゴンタイプ育てるの初めてなんだろ。 このオレさまが色々と教えてやるよ。 ドラゴンタイプのことでオレさまの右に出る奴はいねぇだろ」 まぁそりゃそうでしょうけど。 そうは思っても言えないのが悔しい。 なんだか有無を言わさない雰囲気でな?と言ってくるキバナさんに、私は恐る恐るキバナさんを見上げる。 「あの、もしかしてタマゴが孵化するところ、見たいんですか?」 私の言葉にピタリと止まったキバナさんが、しばらく笑顔のまま固まっていたけどその表情を崩して、うーん、と気まずそうに少し悩んで、それからむすっとした顔で私を見下ろしてくる。 ひえ……もしかして怒らせちゃったのかな。 「……よ」 「はい?」 「だから!初めて見るんだから見たくて当たり前だろうが!悪いかよ!」 少し目を吊り上げてそう言ってきたキバナさんに、私は思わずぶんぶんと首を横に振った。 そうだよね、見たいよね。 なら仕方ない。 そう思いつつ、ドラゴンタイプの最高の使い手と言われるキバナさんも、初めて見るポケモンにこんなに必死になるんだなぁと何だか微笑ましい気持ちになってしまった。 「あの……私、これから毎日ワイルドエリアでタマゴを孵化するためにサイクリングするんです」 「ほう?」 「だから、ナックルシティのこの階段にいたら、会えるかもしれませんね」 まぁいつ孵化するかなんてわからないけど。 そう言った私に、キバナさんは自分のロトムスマホを押し付けてきて、孵化しそうになったら連絡をしろ、絶対だ!と言ってきて、それから数分もしない内に、私のロトムスマホにはキバナさんの連絡先が入れられていた。 まさか私のスマホにキバナさんの連絡先が入る未来がくるなんて思いもしなかった。 じゃあな、とニコニコと上機嫌でいなくなったキバナさんにぺこりと頭を下げて、私はさて、とロトム自転車に跨った。 そこでぴこん、とロトムスマホが音を立てたのでポケットから取り出してメッセージを確認して、思わずあわわ、と周りに人がいないことを確認してしまった。 「な、何で自撮り……?」 そこには、よろしくな!という文字と、キバナさんの完璧な角度での自撮り写真が送られてきていた。

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ポケモン キバナ 夢 小説

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注意事項が多すぎるので、どんな悪夢が飛び出してきても撃退あるいは捕獲できるスペシャリストのみ閲覧してください。 特に注意が必要と判断した事項を連ねますが、細かい地雷はたくさん埋まっています。 ・シンオウ神話(DPP)、エピソードデルタ(ORAS)、剣盾のストーリーを好きなようにまぜまぜしてあります。 ・後半にキバナさんがポケモン化します。 変身するポケモンは完全に作者の趣味。 ・dnkbの沼で育ったので、最後に二人が結婚します。 それ以上のBL表現は皆無ですが、絶対にBLが嫌だという方は読まないでください。 トラツグミというアカウント名で出していた日常切り取り小説三編の本編の立ち位置に当たる物語だったはずです。 長いブランクを経て書いたので矛盾が生じているかもしれません。 日常切り取り三編は、修正したあとこのアカウントで再アップしようかと思っています。 [newpage] エピソードキバナ [chapter:1] 「ヒガナは!!?」 いつの間にか気を失っていたシガナは、そう叫んで飛び起きた。 ヒガナは顔をぐしゃぐしゃに歪めて泣いているし、大人の中にも泣いている者がいた。 「え……どうしたんだよ。 なんでみんな、そんな泣いてんの!?」 驚いて訊ねてみても、誰もシガナの問いに答えない。 まるで、聞こえてないように。 『皆の者、よく聞け。 継承者シガナは死んだ』 ババ様のよく通る声は混乱するシガナの耳にも聞こえてきて、同時に殴られたようなショックを受けた。 「オレ……死んだ……?」 いきなり告げられた言葉を受け入れられず辺りを見回すと、自分のすぐ下に自分が寝ていた。 いや、死んでいるらしいのだが。 死んでいるなら、今こうして意識があるのは何故だ。 考えているうちに葬儀が始まる。 流星の民の葬儀はシンオウ神話にあるものに近く、洗い清めてから海に流すのだ。 どうしようどうすれば、と考えているうちにも儀式は進んでいき、同時にシガナの意識も薄れていく。 ヒガナの泣き顔を最期に、ぷつりと暗転した。 どれだけ眠っていただろう。 暗闇の中で、呼ばれた気がした。 「はあっ、はあ……!! はああ……」 ナックルジムトレーナーであるキバナは、ベッドから飛び起きた。 彼はよく悪夢を見ては魘される。 覚えているのは魂の内側に強くて大きなものが無理やり侵入してくるような苦しみだけで、内容なんてこれっぽっちも覚えてないのに「いつもの」悪い夢だというのは理解できてしまう。 ここまでくるとそれすら気持ち悪い。 嫌な汗を拭こうとベッドサイドの明かりをつけると、ベッド横にフライゴンがいた。 「おわ」 「ふりゃりゃ?」 悪夢に魘される主を心配して勝手にボールから出たフライゴンが、ベッドの淵に手をかけて心配そうにキバナの顔をのぞき込んで鳴いている。 「ごめんな、フライゴン。 起こしちゃったな」 「ふりゃ~!」 すべすべの頭をなでると、フライゴンは嬉しそうに目を細めた。 嬉しそうでもあるが、どちらかというと「眠い」も強そうだ。 「ふぁりゃ~」 「そうだな、明日はファイナルトーナメントだもんな……ちゃんと寝ないとな」 ふぁ、とあくびをしたフライゴンをボールに戻し、自分もベッドに寝転がる。 明日はジムチャレンジの優勝者とチャンピオンへの挑戦者が決まるファイナルトーナメントが行われる。 決勝戦の相手は、十中八九キバナの師匠であり養父でもあるナックルジムリーダーになるだろう。 寝不足の頭で勝てる相手ではないことは確かだ。 ファイナルトーナメント決勝戦がたった今終わった。 相手を倒し、キョダイマックス効果が切れた勢いのままジュラルドンが咆哮した瞬間、割れんばかりの歓声が響いた。 『注目のナックル師弟対決!! 制したのは『ドラゴンの愛息子』!! キバナ選手だぁ~~~!!!!』 ドラゴンの愛息子とは、ドラゴンタイプに好かれやすいキバナへの愛称だった。 実際はポケモン全般から好かれやすい性質なのだが、特に訂正もしないままここまで来た。 自分に向けられる興味と奇異の視線はどこか他人事に、騒めきは雑音として聞きながしてきた。 無視できないほどに大きくなった雑音に呆然とするキバナだが、ぽんと昨夜自分がフライゴンにしたように頭を撫でられ、キバナははっとその方を見上げる。 「よく頑張ったな、キバナ。 流石ドラゴンの……いや、私の愛息子」 「……!」 キバナの養父でもある彼は優しくも厳しいひとで、こんなことを言われたのは初めてだった。 「明日は、全力でチャンピオンに挑みなさい。 おまえなら、あの子を救けてやれるかもしれない」 「チャンピオンを、たすける……?」 ガラルで一番強いチャンピオン・ダンデを、自分がたすける必要がどこにあるのか甚だ疑問だった。 だが、養父の言った言葉の意味は次の日のチャンピオン戦で理解した。 少年王、ダンデ。 天才の名を欲しいままにする彼の瞳は、濁って淀んで沈みかけていた。 ただ純粋にバトルが好きなだけだった少年がチャンピオンという座に着いて、どんな扱いを受けてきたかは、想像に難くない。 上辺だけを奇麗な皮で包んだ汚い大人にいいように利用されて、やりたくもないチャンピオンの偶像を着せられて。 唯一の楽しみのはずだったバトルも、力量差が故に本気で楽しめない、哀れなこども。 だから。 これは絶好のチャンスだと思った。 孤高の王が孤独を手放した瞬間であり、王が恋に落ちた瞬間であり……そして多分、「キバナ」がキバナになった瞬間だった。 [newpage] [chapter:3] 大事なことを忘れている気がする。 キバナには、ワイルドエリアでナックルジムリーダーに保護されるまでの記憶がない。 思い出そうとしても深い霧に覆われたように何も浮かんでこないが、無理に思い出したいとは思わない。 そんな過去のことより今目の前にある仕事ややりたいことで手いっぱいだった。 今年はダンデが推薦状を出したと聞いた。 というより、弟にねだられているのに出し渋っていると聞きつけて「さっさと出してやれ」とせっついたのはキバナ自身だ。 弟のライバルである双子の姉弟にも出してやったというのは驚きだが、きっとガラルに吹く新しい風になってくれるだろう。 今年のジムチャレンジがとても楽しみだった。 であるから、そう。 自分の内側から訴えかけてくるような不安感にかまけているほど、キバナは暇じゃないのだ。 ジムチャレンジでは、4人もの挑戦者を認めた。 認めざるを得なかった。 ネズの妹マリィと、ダンデの弟ホップ。 ユウリは緑色のカジッチュを筆頭に、愛されて育てられていることが手に取るようにわかるようなパーティ。 戦略的に見ればめちゃくちゃな編成ではあったが、彼女なりのこだわりがあるメンバー。 その勘は当たっていたな、と、キバナは真っ白い部屋で点滴に繋がれて眠るダンデを眺めながら回顧した。 チャンピオン戦が始まる、その一瞬前にローズが伝説のポケモンを暴走させた。 ムゲンダイナというそれの相手はダンデに任せ、ジムリーダーであるキバナは住民の避難を最優先にした。 ナックルシティの住民を守るのはナックルジムリーダーの責務であるし、キバナはあそこで死ぬ訳にはいかなかった。 そんなことを考える自分に愕然としながら入り口を見張る。 ホップとマサルが朽ちた盾と剣を持って最上階へ行くのを見送る。 さらに巨大化したムゲンダイナと相対する二人の前に、駆けつけるように現れた見たことも聞いたこともない二匹のポケモンを何故か、ひどく懐かしく感じた。 ホップとマサルと剣と盾の二匹のポケモンは禍々しい姿になったムゲンダイナを鎮め、マサルはムゲンダイナを従えた。 ああ、やっぱり末恐ろしい。 ぐちゃぐちゃの思考を元に戻して、目の前のダンデに視線を落とす。 リザードンに若い二人を庇わせ自分はモロに攻撃の余波を食らったダンデの体はボロボロだ。 ここで死ぬ訳にはいかない。 確かにそう思ったが根拠はなく、臆病風に吹かれたのだと指をさされれば甘んじて受けるしかない。 だが、罪悪感がないかといえばそうではない。 「ダンデ……」 できることなら代わってやりたかった。 「……ごめんな」 いつか、キバナはキバナの役目を果たさねばならない時が来る。 「許して」 その時が来たら、この胸が張り裂けそうな悲しみをダンデにも与えるのだ。 ダンデは目を覚ました瞬間チャンピオンカップをやると言い出し、三日後にはスタジアムに立っていた。 マサルは旅をしていたパーティでダンデに挑み……結果、王冠を模したダンデの帽子が、スタジアムの真ん中で高く放り投げられた。 それを遠くから見ていたキバナは、久々に心から笑っていた。 [chapter:4] テレビは元リーグ委員長の乱心の次に王族の末裔が暴走した話題しかやっていない。 先日、ダンデがマサルとホップに話を通してくれて、伝説の剣と盾、ザシアンとザマゼンタに再会させてもらった。 そうして取り戻したナックルジムリーダーに拾われるまでの記憶は、暖かく優しいものだった。 つまらないコメントを垂れ流していたテレビから流れてきた緊急速報で、キバナは自分の役目を「思い出した」。 ガラルに巨大隕石が迫っている。 キバナはナックルジムの頂に立っていた。 周囲に生き物の気配はない。 キバナの手持ちをはじめ、ナックルシティはもちろん周辺の住民もポケモンも、みんな避難している。 ワイルドエリアの野生ポケモンは避難のしようがないが、絶対大丈夫だ。 なんてったって、このキバナが守るのだから。 想定はしていた。 キバナのやることに何も変わりはない。 絶対に失敗できない理由が増えただけだ。 「キバナ、キミが何をしようとしているか、オレには見当もつかない。 今からでも遅くはない、一緒に」 「戻らねぇよ」 「ッ、何故だ!!」 「これが、オレさまが果たすべき使命だから」 「隕石の落下地点ど真ん中で何の使命があるというんだ!!」 血を吐くような、悲鳴のようなダンデの叫び声に、キバナは穏やかな笑みを向けた。 「大丈夫だ、ダンデ。 お前はそこで、ガラルの無事を祈っていればいい」 キバナの体が光に包まれて、ダンデはあまりのまぶしさに目を瞑った。 もう一を目をあけるとそこには黒い龍がいた。 これは……。 「レックウザ……?」 『どうだ、ダンデ。 オレさま、カッコイイだろ?』 「ああ……ああ、もちろん! 今すぐ君をゲットしたい!!!!」 今の状況にあまりにそぐわない口ぶりと輝く瞳に、キバナもつられて笑ってしまった。 『それは困る。 『オレさまが帰ってこれたら……モンスターボールでもなんでもいい。 お前に、ダンデにゲットされてやるよ』 「そうか! 約束だぞ!!!」 成層圏を超えたあたりで、レックウザはガラルに降ってくる隕石と接触した。 レックウザは身を挺して隕石を止めようとするも隕石はあまりにも巨大で、勢いも強い。 こちらの方が押しつぶされてしまいそうだ。 体がしびれてきた。 体が燃えるように熱い。 「諦めるな、キバナ……!! オレは、お前を信じている!!!」 ダンデの強い祈りが、キバナに届いた。 レックウザの体が虹色の眩い光に包まれるのと同時に、体中に、心に、力が溢れてくる!! 黒曜の体躯に金色の鎖をまとった、メガレックウザがそこにいた。 『うおおおおあああああああ!!!!!!!』 メガレックウザの渾身のガリョウテンセイを受けて、隕石は爆発四散した。 ふと気が付くとキバナは暗闇の中にいた。 その光景はいつかの「死んだ記憶」と重なる。 「あ……オレ……?」 また死んだのかと思って、もともと死んでいたことを思い出す。 役割が終わった今、あるべき場所に還されても文句は言えない。 「お、目ぇ覚めた? やったー。 終わった終わった」 聞きなれた声がして、目の前にもう一人自分がいた。 「オレぇ!??」 「そうそう、俺様俺様」 「あ、お前……レックウザ……?」 「正解だぜ、シガナ……いや、いまはキバナか。 とにかく、これで俺様とオマエのかったりー役目は終わったぜ」 「じゃあオレは死ぬのか?」 「んん? 未練がないなら連れてってやらないこともないが……」 「未練……」 ありまくりだ。 手持ちたちには詳しいことを教えないままだし、できるならヒガナを探したい。 なにより。 「ダンデと生きたいんだろう? お前は大きな役割を成し遂げたんだ。 幸せになりなよ。 そのくらいのご褒美がないと割に合わねえだろ」 「…………でも」 「でももだってもねえよ。 ボーナストラックだと思ってお前の人生楽しんで来な!!」 ばしんと背をたたかれる、めちゃくちゃ痛い。 さすが伝説ポケモン。 それと、何も触ってないはずなのに何故か右手が熱い。 あと、誰かが自分を呼んでいる声がして、その声がするたびに闇が晴れていく。 それと同時にレックウザの姿が遠くなり始めて、キバナは叫んだ。 「なあ、名前! 教えてくれよ!」 『そうだな、それくらいはな。 俺様の名前は…………』 キバナが無理やり目を開けると、白い天井が視界に入る。 腹が重くてそちらを見ると、紫のもさもさがあった。 右手が熱いと思ったらダンデが握りしめているようだった。 仕事はどうしたオーナー兼委員長よ……と思ったが、瞼が閉じられている精悍な顔立ちのなかに酷い隈を見つけて、なんというか。 「ふっ、ひでー顔」 「っ! キバナ……!!!!」 キバナの小さな笑い声で、眠っていると思っていたダンデが飛び起きた。 一面に実った麦穂を思わせる瞳と、穏やかに晴れた湖面の水色が交差する。 「…………ただいま、ダンデ。 信じてくれて、ありがと」 「! キバナ……」 「しっかり届いたぜ……お前の祈り」 「そうでないと困る。 オレは……オレはキミの無事だけを祈っていたんだ……!!」 エピソードキバナ END ホウエンではなくガラルに巨大隕石が近づいているという話を聞いて、伝承者としてガラルに向かっていたが、人々はガラルから脱出するのに忙しく入国できそうにない。 飛び交うニュースの中で巨大隕石に立ち向かうジムリーダーがいると聞き、人々は彼を笑いものにした。 滑稽な自殺志願者だと! 伝承者として正しい回避の方法を教えてやれない、使命を果たせない自分に苛立っていた。 世界の終わりのカウントダウンが響く中、空から降りるでもなく、本当に突如として黒いレックウザが現れた。 隕石はレックウザによって爆破され、飛び散った隕石の破片はガラルの現チャンピオン・マサル氏の従えるムゲンダイナやザシアンと、彼のライバルであるホップ氏が従えるザマゼンタの活躍により、人的被害はゼロ、建物や歴史的建造物への被害も最小限で留められた。 件の隕石に立ち向かったジムリーダーだけが、事件後目を覚まさず病院で集中治療室に入っている。 ナックルジムリーダーが目を覚まし、ガラルの元チャンピオン・ダンデ氏と結婚報告をしたのだ。 世界に充てて発表された号外新聞の写真に幸せそうな笑顔で映っている男性は、幼い頃ヒガナが命を奪った友人によく似ていた。 「シガナ………!」 「にょにょ? にょ!」 「シガナ……うん。 行かなきゃ。

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キバナ (きばな)とは【ピクシブ百科事典】

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「ユウリちゃん!あっちでキャンプやってるんだけど行かない?珍しいポケモンが来てるらしいよ」 「へぇ、珍しいって一体どんなだ?ドラゴンタイプとか?」 「えっ……」 探していたユウリちゃんをやっと見つけて飛びつくと、ユウリちゃんではなくて目の前の壁だと思っていたものがぬっと動いて突然話しかけてきたので、私は思わずピタリと固まってしまった。 ギギギ、とブリキ人形のようにして見上げると、そこには何度も画面や雑誌を通して見たことのある男の人が立っていて、一瞬頭の中が真っ白になった。 だけどいつまでも黙っているわけにもいかない。 うん?どうなんだ?なんて視線を合わるように屈んできたけど、体がとっても大きいから威圧感が凄い。 初対面のはずなのに距離も凄く近いし、思わず一歩後退ってしまう。 「ど、ドラゴンタイプ……いた、ような……何でも、シンオウ地方から来た人で、ガブリアスを連れているとか……?」 「シンオウ地方のドラゴンタイプ?ここじゃ見れないポケモンが拝めるのか」 そう言ってにやりと笑ったのは、ナックルシティのジムリーダーであり世の女性からも大人気のキバナさんだった。 大きすぎて壁だと思っていたのがまさかあのキバナさんだったなんて。 そりゃあ驚くし暫く話せなくたって仕方ないと思うんだ。 社交的なホップくんに話しかけられたことからユウリちゃんとも知り合いになったけど、ユウリちゃんはとっても顔が広い。 ジム戦をしているんだからジムリーダーとは顔見知りでもおかしくないし、色んなところに旅をしているから顔も広いんだろう。 だけど、まさかユウリちゃんがキバナさんとこんな普通に道端でお喋りしてるくらい仲が良いなんて思いもしなかった。 「えっと……ユウリちゃん、どうする?」 「ごめんね、行きたいんだけど、私もキバナさんもソニアさんに呼ばれていて……何でも新しい研究のことがどうだとか……よくわからないんだけど」 とりあえず元々の目的であったユウリちゃんに声をかけると、ユウリちゃんが振り返って少し眉を下げた。 そういえばユウリちゃんはよくソニアさんとかに何か伝承のこととかも相談されていたし、今でも色々とお話を聞いているのかもしれない。 私にはわからないことばかりだから大変だなぁとか凄いなぁくらいしか思っていなかったけど。 私よりもずっと年下なのに、ユウリちゃんはしっかりしている。 やっぱり旅をするとそうなるんだろうか。 ずっとナックルシティにいてあんまり遠くまで出かけたこともない私とは大違いだ。 「そうなんだ……じゃあ仕方ないね」 「クッソ~~~そう言えばそうだったなぁ!ドラゴンタイプ……仕方ねぇ、行くぞユウリ」 「はあい!それじゃあまたね!今度一緒にキャンプしよう」 「うん。 楽しみにしてる」 キバナさんにさっさと腕を引かれるユウリちゃんに手を振る。 もしかして予定さえ合えばキバナさんも来るつもりだったんだろうか。 私はユウリちゃんを誘ったんだけど……予定が合わなかったのは残念だけど、もしソニアさんから呼ばれていなかったらキバナさんもついて来たのかと思うと、一人なら一人でいいかもな、なんて思ってしまった。 ひらひらと手を振っていると、キバナさんが急にこっちを振り返るので思わずピタリと手を止めてしまった。 大きいからか自然と見下ろされるような形になり、少し萎縮してしまう。 ジム戦なんかに興味がない私はこんな有名な人に会うことなんて中々ないから、目の前にジムリーダーがいるってだけでなんかもう緊張してしまう。 そりゃ何度かキバナさんとダンテさんのポケモンバトルを見たことはあるし、それこそキバナさんのインスタを友達に見せられたこともあるけど。 話すなんて初めてだし、こんな近距離で見るのも初めてなのだ。 「お前、ガブリアスがどんなポケモンか動画に撮ってユウリに送っておいてくれよ。 後でオレさまもユウリからその動画を見せてもらうからよ」 「え?あっはい……ワカリマシタ」 えぇ……と思ったけど嫌なんて言えなくて、私は渋々と頷いた。 私の態度なんて別に気にならないのか、キバナさんはニパッと笑って頼んだぜ、と言ってきて、綿ははぁ、と生返事を返すことしかできなかった。 本当にドラゴンタイプのポケモンが好きなんだな、と感心してしまう。 まぁいいか、せっかくだから私はキャンプを楽しんでこよう。 そう思ってユウリちゃんたちとは反対方向へ走り出す。 何でもそのトレーナーはたまたま旅行でここに来ただけだから、明日には帰ってしまうらしい。 こっちのポケモンを何匹か捕まえて、出来ればタマゴも欲しいと言っていたのを聞いた。 私の家には親戚がそら飛ぶタクシーのココガラを育てる仕事をしている人がいるので、ひこうタイプのポケモンのタマゴをたまにもらうことがある。 私は自分で一匹アーマーガァまで育てたし、あとはポケモンを始めたばかりの子にあげることが多いんだけど、その人のためにとココガラのタマゴを一つ持ってきたのだ。 いらなければ別に返してくれたらいいし、珍しいポケモンやタマゴと交換してもらえたらラッキーくらいの気持ちだった。 せっかくここまで来てくれたんだから、何か思い出に残るようなものがあったらいいなという思いもある。 タマゴから育てるポケモンってやっぱり特別可愛く思えるしね。 だから、まさかそのトレーナーさんがココガラのタマゴが欲しくて欲しくて仕方なかったなんて知りもしなかったし、嬉しさのあまりフカマルのタマゴと交換してくれるなんて、夢にも思わなかったのだ。 ほくほくと大事にタマゴを抱えて家に帰り、そしてトレーナーさんに頼んで撮らせてもらったガブリアスの動画をユウリちゃんに送った。 そういえばドラゴンタイプを育てるのは初めてかもしれない。 初めてみたけどガブリアス、とってもカッコよかった。 凄く戦闘バランスのいいポケモンだからオススメだよ!ってトレーナーさんにもごり押しされたしね。 私ポケモンバトルにあんまり興味がないからそこまで気にしてはいなかったけど、そうは言える雰囲気ではなかった。 確かドラゴンタイプはタマゴの孵化にとっても時間がかかるから、明日からはワイルドエリアでロトム自転車でサイクリングだと一人息巻いていた。 ほのおのからだを持ってるポケモンを私は持っていないので、気長に孵化するのを待とう。 孵化するまでのわくわくして待ち遠しい気持ちも嫌いじゃないし。 ベッドでゴロゴロしながらユウリちゃんにガブリアスの動画を送る時に、ちゃんと確認をしなかった私がいけないのはわかっている。 タマゴをくれたトレーナーさんの「フカマルのタマゴ、大事にしてね!」と私の名前を呼ぶ音声が入っていたなんてすっかり忘れていたのだ。 そんなことに気付きもしないで、私はタマゴを抱えてすやすやと呑気に眠ってしまった。 明日からのことが楽しみで、孵化したフカマルと何をしようなんて考えながら。 [newpage] 「フカマルのタマゴ、あるんだろ?」 「ななな、何でそれを……」 いい笑顔で私を止めたのは、昨日ぶりに見るキバナさんだった。 天気は快晴!ワイルドエリアも快晴!ということで、早速孵化するためにワイルドエリアへ向かう途中、ナックルシティを意気揚々とロトム自転車で爆走している私の前に突然現れたキバナさんに慌ててブレーキを踏んだ。 あ、危ない!この自転車はスピード改良していないからいいけど、もししていたらぶつかっていたかもしれない。 突然目の前に飛び出して来たキバナさんは大してビックリもしていないのか、自分のロトムスマホを私の前にずい、と見せてきた。 「昨日は動画サンキューな。 ユウリから送られてきたぜ」 「は、はぁ……それはよかったです」 「で、あるんだろ」 キバナさんの言葉に私は思わず目を逸らした。 ロトムスマホから聞こえる昨日のトレーナーさんの声に、私はしまった、と内心で物凄い後悔をしている真っ最中なのだ。 なんで音声消さなかったんだ、私。 いやガブリアスの鳴き声とかあった方が、きっと喜ぶと……思ったことも、ない……こともない…… まさか自分の思いやりがこんな形で返ってくるなんて思いもしなかった。 リュックの中に入ったタマゴのことを考えて、私はがっくりと項垂れる。 それから諦めてキバナさんを見ると、キバナさんはさっきよりも一層笑みを深めて、そしてずい、と顔を近づけてきた。 普段SNSで何万いいねも叩き出しているらしい最高のシャッターチャンスの笑顔を私に向けて、そして私の肩にその大きな手を置いた。 「ドラゴンタイプのことはオレさまに任せな」 「…………はい?」 「ユウリに聞いたけどドラゴンタイプ育てるの初めてなんだろ。 このオレさまが色々と教えてやるよ。 ドラゴンタイプのことでオレさまの右に出る奴はいねぇだろ」 まぁそりゃそうでしょうけど。 そうは思っても言えないのが悔しい。 なんだか有無を言わさない雰囲気でな?と言ってくるキバナさんに、私は恐る恐るキバナさんを見上げる。 「あの、もしかしてタマゴが孵化するところ、見たいんですか?」 私の言葉にピタリと止まったキバナさんが、しばらく笑顔のまま固まっていたけどその表情を崩して、うーん、と気まずそうに少し悩んで、それからむすっとした顔で私を見下ろしてくる。 ひえ……もしかして怒らせちゃったのかな。 「……よ」 「はい?」 「だから!初めて見るんだから見たくて当たり前だろうが!悪いかよ!」 少し目を吊り上げてそう言ってきたキバナさんに、私は思わずぶんぶんと首を横に振った。 そうだよね、見たいよね。 なら仕方ない。 そう思いつつ、ドラゴンタイプの最高の使い手と言われるキバナさんも、初めて見るポケモンにこんなに必死になるんだなぁと何だか微笑ましい気持ちになってしまった。 「あの……私、これから毎日ワイルドエリアでタマゴを孵化するためにサイクリングするんです」 「ほう?」 「だから、ナックルシティのこの階段にいたら、会えるかもしれませんね」 まぁいつ孵化するかなんてわからないけど。 そう言った私に、キバナさんは自分のロトムスマホを押し付けてきて、孵化しそうになったら連絡をしろ、絶対だ!と言ってきて、それから数分もしない内に、私のロトムスマホにはキバナさんの連絡先が入れられていた。 まさか私のスマホにキバナさんの連絡先が入る未来がくるなんて思いもしなかった。 じゃあな、とニコニコと上機嫌でいなくなったキバナさんにぺこりと頭を下げて、私はさて、とロトム自転車に跨った。 そこでぴこん、とロトムスマホが音を立てたのでポケットから取り出してメッセージを確認して、思わずあわわ、と周りに人がいないことを確認してしまった。 「な、何で自撮り……?」 そこには、よろしくな!という文字と、キバナさんの完璧な角度での自撮り写真が送られてきていた。

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