腹部 コンパートメント 症候群。 腹部コンパートメント(区画)症候群 日本救急医学会・医学用語解説集

コンパートメント症候群の原因と症状。急性期と慢性期の治療と手術について

腹部 コンパートメント 症候群

概要 [ ] 上肢、下肢の筋、、神経は、、骨間膜に囲まれている。 この構造を コンパートメント compartment あるいは 筋区画と呼ぶ。 例えば下腿には前部、外側、深後部、浅後部の4つのコンパートメントが、前腕には屈筋群、伸筋群、橈側伸筋群の3つのコンパートメントがある。 何らかの原因でコンパートメント内の圧力が高まると、コンパートメント内の血管が圧迫されて循環障害が発生、筋や神経の機能障害がおきる。 急性型と慢性型があり、急性型の場合は筋や神経の組織がして重大な障害を残すことがある。 スポーツでは慢性型のコンパートメント症候群がみられることがある。 急性型 [ ] 骨折、筋損傷、血管損傷などにより内出血あるいは浮腫が発生すると、コンパートメント内の圧力が上昇し循環不全がおこる。 循環不全は浮腫を増強するため悪循環となり、が閉塞するとコンパートメント内の組織の阻血が生じ、最悪の場合、壊死に至る。 主な症状は疼痛、腫脹、感覚障害、運動障害などで、筋を他動的に伸長させたときにも疼痛が発生する。 の症状が現れたら、最終的な阻血性壊死に至る前に、コンパートメント内の減圧と循環改善を図る処置を速やかに行わねばならない。 末梢の阻血の代表的な症状は、疼痛 pain 、蒼白 paleness 、脈拍消失 pulselessness 、感覚異常 paresthesia 、 paralysis であるが 、これらのうち脈拍消失は必ずしも認められない。 これは、コンパートメントの内圧が上昇して細動脈を閉塞しても動脈本管の圧力より低いためである。 例えば、前腕のコンパートメント症候群が発生してもコンパートメントの内圧がの内圧を上回らなければ、橈骨動脈の拍動は消失しない。 阻血の症状が現れたときは、次の処置を行う。 包帯やギプスによる固定を行っている場合は、それらの除去。 進行が急激である場合は、筋膜切開。 一般的に、外傷が発生した場合はRICE処置、すなわち患部の安静 rest 、冷却 icing 、圧迫 compression 、挙上 elevation を行うが、コンパートメント症候群においては、圧迫と挙上は見合わせる。 循環障害を助長させるからである。 急性型の例 [ ]• () - 前腕の屈筋群に阻血が発生し急速に変性する。 小児の上腕骨顆上骨折に合併するケースが多い。 脚注 [ ]• 英語の頭文字をとって阻血の5Pと呼ばれる。 参考文献 [ ]• Clem W. Thompson, R. Floyd『身体運動の解剖学 改訂版』、中村千秋・竹内真希 訳、医道の日本社、2002年• 社団法人全国柔道整復学校協会・教科書委員会『柔道整復学-理論編』、改訂第5版、南江堂、2009年 外部リンク [ ]• 日本救急医学会.

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下腿コンパートメント症候群について

腹部 コンパートメント 症候群

コンパートメント症候群とは・・・• 救急領域でよく聞くコトバ• 急激な6つの「P」症状に注意• ギプスでの腫れが原因で起こることも! 〈目次〉• コンパートメント症候群はなぜ起こる?(メカニズム) 「コンパートメント」は区切られた小部屋・隔室の意味で、「区画」と表現されることもあります。 コンパートメント症候群と区画症候群は同義です。 上述の、隔室を構成する骨・筋膜・骨間膜はいずれも強靱ですから、この中に、浮腫などが起こると圧上昇をきたします。 したがって、この中を通る血管や神経は圧迫され障害されます。 循環障害により壊死をきたしたり、神経障害が後遺障害となることもあります。 特に前腕に起こるものは「Volkmann」()と呼ばれ、よく知られています。 図1Volkmann(フォルクマン)拘縮 (を参考に作成) コンパートメント症候群はどんなとき起こる? コンパートメント症候群は骨折・脱臼などの外傷で起こることが多いです。 ほかにも、主要血管の損傷、重症熱傷、電撃傷、蛇咬傷でも急激な腫脹をきたし、コンパートメント症候群に至ることがあります。 さらに医原性のものとして、ギブス固定後に腫脹をきたしたものや、包帯による過度の圧迫に注意すべきです。 コンパートメント症候群ではどんな症状が出る? コンパートメント症候群は急激に発症する「P」症状()が特徴的です。 例えば血管障害や薬物中毒、障害や偶発性低体温症などが原因となり、「長時間同じ体位をとっていた」際には、圧挫面がとなることと同様に、体の一部で挟まれた四肢にコンパートメント症候群を生じることがしばしばです()。 図2コンパートメント症候群が起こりやすい場面 関連する「クラッシュ(圧挫)症候群」に注意 圧挫が広範囲・長時間になると、筋挫滅による細胞崩壊により、細胞内部から、ミオグロビンが流出し、高カリウム血症、症、急性などをきたします。 さらに傷害された細胞が膨化して、浮腫を形成するため、大量の体液シフトを生じショックに陥る、といった全身症状を伴う「クラッシュ(圧挫)症候群」の状態となります。 この場合、適切な処置を講じなければ、しばしば致死的です。 コンパートメント症候群にはどう対応する? コンパートメント症候群への対応 血行の改善を図るべく、包帯やギプスが強すぎるなら除去し、患肢を挙上することになります。 ただし挙上しすぎると血流が悪くなるので、適度な挙上に留めます。 骨折、脱臼が残存していれば整復、それでも循環不全が改善しない場合には筋膜切開による減張切開となります。 いつ減張切開を決めるかは、末梢の血流をドップラーで検出したり、直接的に筋に針をして圧モニターと接続しコンパートメント圧を測ったりします。 クラッシュ(圧挫)症候群への対応 ショック、高カリウム血症、ミオグロビン尿症などの全身症状を呈する場合には、集中治療が必要となります。 厳密なモニタリング、大量輸液、ときに緊急浄化と進むことになります。

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コンパートメント症候群の予防とケア【いまさら聞けない看護技術】

腹部 コンパートメント 症候群

どうも、こんにちは。 若手整形外科医のよせやんです。 中部日本整形外科災害外科学会の演題募集が明日の正午までなので、2日前からデータ集め、論文集め、抄録作成、スライド作成に時間を割いています。 今週中に論文完成まで終わらせたいところです。 学会は抄録の登録と発表までにだいぶ期間がありますが、抄録登録の際にスライドまで作成せずに発表の前にスライドを作成しようとすると、再度論文から読み直さないといけなくなりますからね。 さらに学会後に論文を書くとなると、また再度論文を読み直して思い出す必要がありますからね。 遅くとも発表のときまでに論文作成まで終わらせておくクセはつけたいものです。 ちょっと休憩で今回は コンパートメント症候群に関してまとめます。 コンパートメント症候群は骨折や筋損傷などの外傷が契機となって生じることがある非常に怖い疾患です。 つまりは、どんな人にも起こることがあるのです。 また、医療関係者は自分が診た患者さんがコンパートメント症候群にならないかしっかりとチェックすることが大切です。 コンパートメント症候群とはどういうものなのか、 原因、 症状、 診断、 治療について、特に緊急に行う必要がある 減張切開とその後の管理として VAC療法を勉強しておきましょう。 コンパートメント症候群とは、コンパートメント内の組織が内圧の上昇によって循環障害を起こした状態のことをいいます。 コンパートメント内の高圧状態が長時間続くと、コンパートメント内の筋壊死や神経障害の原因となり、Volkmann拘縮として知られる 不可逆性の阻血性拘縮を引き起こします。 急性期と慢性期があり、急性型の場合には筋や神経が壊死に陥り重大な後遺症を残すことがあります。 コンパートメント症候群のMRI所見(T2強調像) (下腿後方の筋肉に浮腫上の変化が見られます。 ) 原因 原因としては主には 骨折や筋損傷などの外傷ですが、 ギプス固定や 載石位の手術で起こることもあります。 (Leff RG et al. J Urol 1979) 症状 理学所見としては 6Pを覚えておきましょう。 コンパートメント症候群の6P• Pain(疼痛)• Paresthesia(感覚異常)• Pallor(蒼白)• Paralysis(麻痺)• Pulselessness(脈拍消失)• Poikilothermia(低体温) この中でも 特に、 Pain(疼痛)が最も信頼できる徴候であり、罹患した部位の筋を他動的に伸展させるとさらに激痛を訴えることが特徴的です。 その他のPの症状は疼痛に遅れて出現すると言われています。 (Tzioupis P et al. 違うのは、針を動脈に針入するのではなく、コンパートメント内圧を図りたい筋肉に針入することだけです。 コンパートメント内圧は正常では0〜10mmHgであり、近年では 30mmHgを超えたら 減張切開術(筋膜切開)の適応があると言われています。 (内藤正俊. (Simms MS et al. Postgrad Med J 2005) (写真:筋膜切開術後) 減張切開が必要だと判断したら、内圧が上昇しているコンパートメントに対し、筋膜切開を行います。 減張切開の方法については下の記事を参考にして下さい。 VAC療法群で有意に閉創までの期間が短縮し、植皮を要する頻度が低下した。 (Yang CC, et al. J Surg Orthop Adv 2007) (Zannis J, et al. Ann Plast Surg 2009) と報告されています。 (写真:切開創の閉創後) またVAC療法の場合、 ドレッシング交換頻度を大幅に減少させることができるため、感染リスクの面からも有益であると考えられます。 筋膜切開後の治療法としては Shoelace法による直接的な創縁の牽引は広く離開した創の狭小化に有用であり、VAC療法に併用することでより早期に創の縫合が行える可能性もあるかと思います。 おわりに 以上、今回は コンパートメント症候群とはどういうものなのか、その原因、症状、診断、治療についてまとめました。 細かいところはいいとして、僕がこの記事で皆さんに伝えたいことは、 コンパート症候群は早期に診断し治療を開始することが重要 だということです。

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